登場人物紹介

(三章以前に登場した人物は三章開始直前。他は初出時。)


黒河 修司 (クロカワ シュウジ)
 色々と碌でも無い過去を持っている、普通と言えない高校生。
 普段は学生として生活し、手が必要であれば妖物退治の手伝いをし、日々暮らしている。
 その正体は、別の星で『救世主』と呼ばれていた人物。その星で起こった“大戦”を終結に導いた立役者の一人。大戦終結後、考え方の違いから故郷を捨て、今の星に命辛々逃げ延びて来る。
 捨て子だった為、本名は不明。正確な誕生日も不明。昔は出身村の名を姓とし、シュウ=アストレイを名乗っていた。
 何事も無く成長していれば、優しく真面目で、かつ極上のお人好として育ったであろう人。現在、性格にはかなりの歪みが見て取れ、計算高い性格などがプラスされている。
 常に物事を冷めた目線で見る癖がついており、怒り以外の感情で煮え切った行動に出る事が少ない。
 人生の起伏が激しく苦労性。生活能力は高めで中の上もしくは上の下。矛盾に塗れた似非悪人。
 不運な星の下に生まれ、それなりに幸福に生きる無気力系リアリスト。金も権力も好きだが、金持ちと権力者は嫌い。かなりの物臭。身内に優しく、他人に厳しい。自分に対してはヘタレ。
 『業(Messiah)』『特異点』『天使の呪い』『悪魔の祝福』の特殊能力を宿す。
 おそらく最強の一角。

神崎 六花 (カンザキ リッカ)
 神崎家の双子姉妹の姉で次女。通称、雪。
 初対面の人間は勿論、そこそこ親しい位の友人では妹である桜と見分けがつかないくらいソックリの一卵性双生児。髪型は勿論、私服の場合でも同じ服を着ていることが多く、余計にややこしい。
 妹と比べると『お姉ちゃんだから頑張らないと』と無理な事も頑張ってしまう根っからのお姉さん気質。変な所で頑固。異性からの人気の方が高いが、同性からも一定の評価を得ている。
 戦闘能力に関してはかなりの実力者であるが、対人戦においては能力を最大限まで発揮できない。また巫女としての浄化能力も高いレベルにある。訓練よりも実戦の方が能力を発揮し易い。次期神崎家当主(の予定)。
 過去を夢に見ることのできる『夢見』の能力者。ただし不安定。

神崎 桜花 (カンザキ オウカ)
 神崎家の双子姉妹の妹で三女。通称、桜。
 姉と比べると、半歩引いた位置に立つことが多いのは、妹だからと無意識のうちに遠慮している為と思われる。異性からの人気の方が高いが、同性からも一定の評価を得ている。小学生の頃の経験から、慣れない大柄の男性が物凄く苦手。
 能力に関して、癖も含め姉と完全に同一レベル。特に姉との連携戦を得意とし二対二の戦闘であれば単体では基礎能力が勝っている相手にも勝つ事が可能。
 未来を垣間見ることのできる『先見』の能力者。ただし不安定。

波多 千夏 (ハタ チナツ)
 シュウと同じく神崎家に居候中の海神の分家の子。学年は一つ下。血筋としては似た部分があるからか、雪や桜と顔のパーツも微妙に似ているので、本当の姉妹の様にも見える。
 人見知りが激しく引っ込み思案。初対面の人間とは中々会話が盛り上がらないが、仲良くなると良く懐く。自己主張が若干苦手。居候と言う立場を良くも悪くも弁えている子。健気に頑張る姿が保護欲を誘うらしい。
 シュウに兄としての絶大の信頼を置き、またシュウも似た境遇にいる妹として大変可愛がっている。
 特殊能力は持っていないが基本スペックなら雪、桜よりもやや上。ただし無意識のうちに罪悪感から全力を出し切れていない。実姉と実弟が一人ずつと、実父母も存命している。

柳 広輔 (ヤナギ コウスケ)
 通称ヒロスケ。シュウを含めた四人組の中で主にツッコミ役で常識人。お節介で世話焼き。顔は二枚目で成績優秀。それを鼻に掛ける事も無く、常にフランクな態度で周りには常に人の輪が出来ている。
 ただ家庭環境が複雑であり、半分くらいは作った性格であるとも言える。それが元で一時期荒れていたが、現在はちゃんと社会復帰を果たし、教師陣からの受けも良い真面目で優秀、模範的生徒。
 戦闘能力は一般人と比較すれば相当高い位置におり、かなりの手練。癖の無いオールラウンダー。

高峰 祐 (タカミネ ユウ)
 通称タスク。四人組の中では完全にボケ役。学年内で一、二を争う背の低さを気にしている可愛い系男の子。またその言動と相まって、とても高校生には見えない。燃える展開をこよなく愛する熱血漢。素直で正直。底抜けに明るい。年上のお姉さんから特に受けが良い。
 勉強が嫌いな為、学力はおしなべて低いが頭が悪いわけではない。やれば出来る子。外見に反して自分の考えは割りとしっかりしている。
 家はヒロスケの家と近所だが、昔はそう仲が良かったわけではないらしい。
 戦闘は素早さを生かした撹乱戦が得意。ヒロスケと比較すると三本勝負で二本先取ならタスクの方が勝率は高い。十本連戦となると3:7か4:6で負け越す。
 なぜか特殊技能の『ピッキングLv5』『尾行Lv6』を習得している。

常広 円 (ツネヒロ マドカ)
 通称エン。四人組の中で紅一点。付き合いは中学の頃から。ヒロスケやタスクに想いを寄せる女子から時にバッシッグにあったりして今の関係が面倒だとも思っているが、反面、その状況さえも楽しむことができる女傑。下手に噛み付くと手痛い竹箆返しを喰らう。
 戦闘能力は無く一般人であるが、普通ではない。

神崎 一夜 (カンザキ カズヤ)
 神崎家当主。美咲の夫で雪と桜の実父。そして同時にシュウと千夏の養父。旧姓壊神。
 神藤の血筋ではないが、先祖が神の返り血を浴びてしまった事で血の一部に神性が混じっている。よって年に比べて若く見える。
 実子、養子分け隔てなく育てるお父さん。基本的には人格者であり善人。でも昔は相当ヤンチャだったらしい。
 妻命で、物凄く極端な事を言えば美咲さえ居れば、後は世界が滅びようがどうでも良い、とか一時期思ってた人。
 戦闘能力は申し分なく、通常状態のシュウであればほぼ勝ち目は無い。
 間違いなく最強の一人。

神崎 美咲 (カンザキ ミサキ)
 一夜の妻で雪と桜の実母。そして同時にシュウと千夏の養母。年を聞くと怒るが、常若の麗人で年の離れた姉にも見える。旧姓神藤。
 子供好きであると同時に悪戯好き。よくシュウをからかって楽しんでいる。未だに一夜さん、美咲さんと呼び合う初々しい熟年カップル。
 一夜が命令を絶対に聞く世界で唯一の人。違った意味で最恐。
 力場に色が付随して視える『色見』の能力者。

ロキ (Loki)
 普段はペットの犬扱いされているが本来は地の属性を持つ妖狼。シュウの使い魔であると同時に、使い魔として使役される事を契約の代価とした監視者でもある。
 実はまだ八年程しか生きていない。その割りに口調がジジ臭いのはシュウのオールドワイズマンとしての人格が基礎部になっているから。人格が定着した後に性別がメスだと気付いたがどうしようもなかった。
 基本的に雑食で何でも食べるが、焼いた肉が好物。嫌いな食べ物はドッグフード(でも食べる)。
 そのスペックは本来の使い魔にあるまじき程の高性能。その分、口答えをしたりと余分な機能も多い。
 監視者である立場を超えて、シュウとは軽口を言い合う良い主従関係を築いている。

グラン=リーオハート (Gran=Lionheart)
 シュウの元同僚で『英雄』と呼ばれている金髪碧眼の青年。階級は少佐だが、待遇は大佐か准将並み。
 大戦に於いて多大な功績を残し、ミドルネームを与えられたが冗談みたいに名前が長くなるので名乗る事は滅多に無い。貧乏貴族。
 サイフィスよりもシュウとの付き合いは長く、軍学校の同期として出会う。
 聖剣を所持しており、その加護を受けているためほとんど外見が変わらない。
 『業(Hero)』を身に宿す。
 たぶん最強の一角。

サイフィス=S=レアバード (Cyfis=S=Rarebyrd)
 シュウの元同僚で『勇者』と呼ばれている銀髪碧眼の青年。階級は中佐だが、待遇は准将か少将並み。騎士団統括団長。申し訳程度に王家の血を引いているため、末の末だが一応王室の一員。ただし王位継承権は最初から持っていない。やはり大戦の功績を認められミドルネームを持っているが面倒なので一番最初のSのみを使う。(本人曰くスーパー。)
 流した浮名は数知れず、お世辞にも女癖が良いとは言えない。だが面倒見は良くシュウとグランの兄貴分として二人の至らない部分を影ながら支えていたりした。
 同性にはサイ。異性にはフィスと呼ばせる変な拘りがある。喫煙者だが喫煙しだしたのはシュウが居なくなってから。グランと同じく聖剣を所持しているため外見がほとんど変わらない。
 『業(Braver)』を身に宿す。
 たぶん最強の一角。

ケン
 シュウの元同僚で『魔王』と呼ばれていた。本名はまだ秘密。
 元は第六位王位継承権をもっていたが『魔王』の業を持っている事が分かり継承権は剥奪。後、軟禁状態となる。
 激化する大戦の中、軍部は『魔王』の能力を兵器運用する事を決め、狙い通り多大な戦果を上げる。しかし有用性をアピールしたにも関わらずその評価が変わる事はなかった。
 覚醒(暴走)したときの事を考慮され、近くに抑止作用としての『救世主』『勇者』『英雄』が配置されていた。
 『業(Erlkönigin)』を身に宿したが故に、シュウ達と出会い、そして封印される。
 最強の一人。

月子
 偽名。色々謎の人。神藤が祀る神・・・・・・らしい。
 本人曰く半神で、過去に一夜と因縁がある模様だが詳細不明。

島岡 断十郎 (シマオカ ダンジュウロウ)
 二卵性双生児の兄弟で兄。小さい頃から体が大きく、よく上級生と間違われる。
 怖いもの知らずで猪突猛進。周りの迷惑を気にしない大物。尊大で強引な性格をしているが一般的な社会常識は持ち合わせているし、勉強も出来る。親分として子分にちゃんと慕われているが、多少、畏怖の念が混じるのは避けられない。その理由は短気で喧嘩早いから。
 祖父の影響で幼少の頃から武術を仕込まれ、今では全国大会の上位入賞者の常連。学校の売名には良い宣伝になるのだが、それを相殺できるほどの問題児。自分の強さに昔から誇りを持っていたのだがシュウに負けた事で彼を敵視するようなる。
 家が裕福で金銭感覚に乏しく、金遣いが荒い。中学は中高一貫の私立校に通っていたが、シュウにリベンジを果たすべく同じ高校に入学してくる。
 戦闘能力はヒロスケやタスクより上。同じ年代で言えば間違いなくトップクラスの実力。ただ挑発に乗りやすく冷静さに問題アリ。体格を活かしたパワーファイター。

島岡 清十郎 (シマオカ セイジュウロウ)
 二卵性双生児の兄弟で弟。兄と同様体格が大きい。差別化を図る為に断より髪を長く延ばしている。
 常に兄貴の起こす問題に頭を悩ませており、どうすれば問題が自分に飛び火しないかを考える文明人。しかし結局二人仲良く説教を喰らう破目になる。
 兄とは違い、冷静に物事を分析する客観性は持ち合わせているのだが熱くなりやすい等、根っこの部分は同じである。
 高校へはそのまま一貫で通うつもりだったが、兄のお目付け役として引っ張られてくる。
 どうでもいい事だが、氏名欄に名前のフリガナを書く時、マスが足りなく書きれない場合が多い。(兄も同様。)
 戦闘能力は ダン≧セイ≧ヒロスケ≒タスク の順。本来は接近戦パワーファイターだが考え無しに突っ込んでいく兄の援護が多い為、中距離戦用に戦型を変更している。戦型を変更できる器用貧乏タイプ。

リエーテ=グゥリ=シスハ (Riet=Guri=Sisuha)
 聖騎士団所属の女性軍人。階級は中尉。ベリーショートの金髪に青い瞳。身長は平均よりやや上。実年齢より上に見られることが多いのが密かな悩みの17歳。大戦による戦災孤児。
 現状に甘んじることなく、常に最良の結果を目指す努力家。例えそれに結果が伴わなくとも、歩みを止める事を善しとしない真面目な人。むしろ真面目すぎる自分を真面目に悩むくらいに生真面目。自分に対して『面白味のない人間だ』と評価を下す程度にはコンプレックスを抱えている。
 そういう融通の利かなさをサイフィスは密かに気に入って(面白がって)おり度々弄るネタにされているが、本人はわかっていないし気付けてもいない。また女性というだけで差別されたり逆差別を受けたりすることを不満に思っており、それが嵩じて自分の性別に若干の不満がある。
 自己評価は高くないが、客観的に見ればその能力は優秀。元々の才能もあるが明確な信念の元、若い頃から長い時間を修練に重ねた故の強さ。

伊藤 優護 (イトウ ユウゴ)
 故人。享年12歳。中学一年の夏、タスクが偶然入院した事で交流が生まれた。誕生日が来ていれば13歳。先天的に難病を抱え、病院で生涯の大半を過ごす。薄幸だったかどうかは誰も知らない。
 ヒロスケと、特にタスクにとってはユーゴとの出会いと別離は重要な意味を持つに至る。
 本人は親の転勤で転居していると思っていたが、実際はユーゴの病気の為に少しでも良い環境の病院へ入院させる為の転居だった。
 優しさを護る事に長けた人物だったのかもしれない。


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